宗学院にて研究発表担当。
「迦才『浄土論』における十念について」というテーマにて発表。
迦才『浄土論』に見られる十念の意味と念仏との関係について検討した。未解決の問題も若干残しているので、そのあたりを後期の課題として提出しよう。
研究発表するときに、その場に「怖い」と感じる人がいてほしいと思う。
「怖い」とは、単なる恐怖ではなく、自分よりも知識が多く、学術的なスタイルを確立していて、アカデミックな指摘を当然のようにしてくる人だ。そんな人を前にして発表するときには、どこかで「見限られてしまわないだろうか」とか、すべき手続きをしていないなどの姿勢として根本的に誤っているところを指摘されないだろうかといった、怖さが現れてくる。
それは、その人が発する怖さというよりも、みずからの手落ちや未熟さがその人の前に行けば、その人の目によって、白日の下にさらされてしまうのではないか、という怖さかもしれない。
その怖さは、緊張のあとに、大きな成長をつれてきてくれる。
研究者としてどれだけ、成長することができるかという問題は、どれだけ「怖さ」を持つ人と過ごすか。その人の前で発表や作業をすることによるのではないかと思うのである。
2007年5月23日水曜日
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