2011年2月4日金曜日

東京大学教養学部歴史学部会編『史料学入門』

東京大学教養学部歴史学部会編『史料学入門』 (岩波テキストブックス)


先日立ち寄ったとある大学の購買部で偶然見つけた本。
ほとんど知らないことをテーマにされているけれど、コンセプトが「歴史学の何たるか、また歴史研究の醍醐味を伝える。」ということと、新婚旅行でいった場所でもあるアンデス史のことも取り上げられていたことが、買った理由だろうか。

読んでみると、面白い。
ひとつひとつのテーマは、まったく未知のことがらばっかりだったけれど、
根底に共通しているのは、史料の扱い方とか、情報をどのように引き出してくるかというようなことなので、自分の関心ともリンクして面白かった。


興味深かったことば
「過去は、今を生きる我々が探しに出かけない限り、姿を現すことはない。過去は、いま目の前に、様々に積み重なった痕跡を遺している。その目の前の痕跡の中から、我々が感心に応じて、特定のものを抜き出すとき、それが史料となる。」(p.2)

また解釈の政治性についても…
「我々が眼にする史料は、大なり小なり読み手の行動を左右しようとする政治性を帯びている。書いた本人が自分に都合の良い表現をしがちなだけでなく、間に立って伝える人々も様々の思惑から文面に介入するので、解読者はそれが置かれた政治の磁場を慎重に見極めなければならない。」(p.7)

そこそこな分量があるので、読み終えたあとは、
「勉強したなぁ」と、自己満足にひたりました。





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