2005年6月20日月曜日

対食偈(たいじきのげ)

粒粒皆是檀信 滴滴悉是檀波 非士農非工商 無勢力無産業

自非福田衣力 安有得此飲食 慎莫問味濃淡 慎莫論品多少

此是保命薬餌 療飢与渇則足 若起不足想念 化為鉄丸銅汁

若不知食来由 如堕負重牛馬 寄語勧諸行者 食時須作此言

願以此飲食力 長養我色相身 上為法門于城 下為苦海津筏

普教化諸衆生 共往生安楽国



粒々みなこれ檀信、滴々悉くこれ檀波、

士農にあらず工商にあらず、勢力なく産業なし、

福田衣(袈裟)の力にあらざるよりんば、いずくんぞこの飲食を得ることあらんや、

慎んで味の濃淡を問うことなかれ、慎んで品の多少を論ずることなかれ、

これは保命の薬餌なり、飢と渇を療すれば則ち足る、

もし不足の想念を起さば、化して鉄丸銅汁とならん、

もし食の来由を知らずんば、重きを負える牛馬に堕するが如し、

語を寄せて諸の行者に勧む、食するとき須らく此の言をなすべし、

願わくばこの飲食の力を以って、我が色相の身を長養し、

上は法門の于城となり、下は苦界の津筏となって、

普く衆生を教化し、共に安楽国に往生せん。

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