有川浩『阪急電車』

有川浩『阪急電車』(幻冬舎文庫)

関西人としてはノスタルジーやら、郷土愛やらがくすぐられる。
なんと言ってもモチーフが秀逸!「阪急電車」

重要な動脈でもなく、西宮北口から宝塚まで、ほんの15分で終点につくローカル線が舞台。
各駅の描写や特徴、ロケーションも見事に反映されていて、
読んだだけで、乗りたくなる一作。

実際に、休日・日曜日に読んで乗りたくなった僕は、その日のうちに「宝塚線」に乗りに行きました。

乗って思ったこと。
本来どこかへ行くための「手段」であるはずの電車移動が、「目的」化され、それのみが「楽しみ」であることは、なかなか得がたいことなのではないかということ。
そう、ただただ楽しかった。

宝塚線はなかなか乗ることがないのだけれど、本を片手に、
「うん!確かにそうなっている。」という事ばかり。

作品の中で唯一下車して、駅前の風景が描かれる「小林駅」で下車。
小説の描写と一々一致していることだけで、感動。
改札に、ちゃんと「ツバメの巣」が3つ、本当にあったのを見たときには、ちょっと感激。

家を出てから帰るまで、ほんの一時間半で物語の舞台巡りをしてきました。

ちなみに、作品それ自体もとてもおもしろい内容。
翌日読んだ、うちの奥さんからは、この本に出てくる「女子たち、君のタイプやろ」とのお言葉。
結構、図星でした。


いやぁ、おもしろい一作でした。


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