(映画2018年2本目)
2018年1月2日
十三・第七芸術劇場で鑑賞。
新年二つめの映画。
「被ばく牛と生きる」。
福島県で、放射能に被爆した牛を飼い続ける酪農家・畜産家の人たちのドキュメント映画。
福島第一原発の事故の後、5月には放射能に被爆した半径20キロメートル圏内にいる「家畜」の処分を通達した。 一方で「ペット」については、20キロ圏内から避難させて飼育してもよいという判断になったという。
もちろん、農家に対する国からの「保障」はあるが、それを拒んで、原発から20キロ圏内の牧場で牛を飼い続ける農家達がいた。ある人は、何時間も掛けて週に何日も通って世話を続け、ある人は、線量のたかい非難指定地域の中で敢えて牛と暮らす生活をしている。
原発事故がもたらした一つの側面として、「酪農家」に対する被害があること、その実情を知る上では、大変重要な指摘をしている作品だと感じた。
もはや経済価値のない、販売も繁殖さえも認められない牛を、「殺す」ことができずに世話をし、飼育し続ける農家の姿から、「いのち」のこと、そして生業をもって「生きる」こととはなにかを考えさせられる。
作品に込められたメッセージについては、以下を参照してもらえればと思う。
http://www.power-i.ne.jp/hibakuushi/statement/
ともかく、考えさせられることの多い映画だった。
・畜産家さんたちの姿、生き方。
・原発事故とその後の福島、畜産家に対する政府の対応。
・「牛を殺す」ことの意味
→ 食肉の安全を守るために「処分する」というのは、(ある意味)体よく聞こえる一方で、「原発事故」の実情を「牛」を使って検証する、ということについての可能性を閉ざしているという指摘が映画でなされているように思われた。
2018年1月8日月曜日
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