石田衣良『池袋ウエストゲート・パーク』
ちょっと前に、石田衣良の『娼年』という作品を読んだ。
その後で、彼が「池袋ウエストゲートパーク」の作者だと知った。
��一部では「IWGP」と略されているらしい。どっかのプロレス団体のベルトみたいだ。それを見たときちょっと笑ってしまった。)
『娼年』読んで、石田作品に興味を覚えた。
解説や評論では石田作品は絶賛されている。読むとその評価されている点は分かるけれども、何かしらもの足りなさも一方では感じるのが、僕の正直な感想。
東京の「夜」の部分が彼の作品には非常にうまく描かれている。
文体も、教科書通りではなくて、切れ味が良く、読んでいて刺激的。
一単語の名詞で文章を終える部分があって、その表現がすごく印象深い。こんな書き方があったのか?という、カルチャーショック。
主に電車の中で読んでいたが、一度読み出すと、その世界に入り込んでしまって、あっという間に時間が過ぎて、キリのいいところまで読み切らずにはいられなくなる。電車を降りて、駅のホームや改札で立ち止まって、読み続けもしたから、かなり面白かったのは間違いない。
じゃあ、物足りないのは何なのか?
それは斎藤孝のいう「精神の緊張が要求される読書」にはなっていないという点だろうか?
なんとなく、あっさりと読めてしまって、面白くて集中できたけど、その反面物足りなさものこるのです。
ちなみに、すごく満足できた作品は、ぱっと思いつくもので
遠藤周作『海と毒薬』
芥川龍之介『或る日の大石内蔵助』
などなど。
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