2004年11月12日金曜日

石田衣良『池袋ウエストゲート・パーク』

石田衣良『池袋ウエストゲート・パーク』



ちょっと前に、石田衣良の『娼年』という作品を読んだ。

その後で、彼が「池袋ウエストゲートパーク」の作者だと知った。

��一部では「IWGP」と略されているらしい。どっかのプロレス団体のベルトみたいだ。それを見たときちょっと笑ってしまった。)



 『娼年』読んで、石田作品に興味を覚えた。



 解説や評論では石田作品は絶賛されている。読むとその評価されている点は分かるけれども、何かしらもの足りなさも一方では感じるのが、僕の正直な感想。



 東京の「夜」の部分が彼の作品には非常にうまく描かれている。

 文体も、教科書通りではなくて、切れ味が良く、読んでいて刺激的。



  

 一単語の名詞で文章を終える部分があって、その表現がすごく印象深い。こんな書き方があったのか?という、カルチャーショック。

 主に電車の中で読んでいたが、一度読み出すと、その世界に入り込んでしまって、あっという間に時間が過ぎて、キリのいいところまで読み切らずにはいられなくなる。電車を降りて、駅のホームや改札で立ち止まって、読み続けもしたから、かなり面白かったのは間違いない。



 じゃあ、物足りないのは何なのか?

それは斎藤孝のいう「精神の緊張が要求される読書」にはなっていないという点だろうか?

なんとなく、あっさりと読めてしまって、面白くて集中できたけど、その反面物足りなさものこるのです。



 ちなみに、すごく満足できた作品は、ぱっと思いつくもので

 遠藤周作『海と毒薬』

 芥川龍之介『或る日の大石内蔵助』

などなど。

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