とあるおうち。
お勤め(お経)が終わったあと、そこのおばあさんがふと、先年亡くなられたご主人の写真を眺めてこうつぶやかれました。
「こんなふうになるなんて、思ってもみんかったけどなぁ・・・」
「亡くなって、お父さんに頼りきっとったんやなぁって・・・」
とてもさびしそうに、遠くを見られているような目で、そんな風にもおっしゃいました・・・
それからいろいろとお話しました。
おじいちゃんのあまりにも人の良いこと。
だまされていろんなものを買ってよろこんでたこと。
血圧が高いからと、おばあちゃんのために薬を買ってきてくれたこと。
おばあちゃんのとおい田舎のこと。
「遠い尼崎に来たけど、よかったんかもねぇ・・・」
と言われたことも印象的でした。
どうしてほしいとも、何とかして欲しいとも思われてないのかも知れません。
でも、ぽつぽつと話される言葉の中にさみしさがありました。
「人生ってはやいなぁ」
というような言葉もいわれました。
なんとかしてあげたいと思うけれども、なにもできません。
ただ、横にいて話を一緒にさせてもらうことしかできないのだと思いました。
無力だなぁ・・・。と思いながらも帰途につくのでした。
��仏さんの話をしたら、帰りがけに「ちょっと元気になりましたわ。」と、御礼を言われたことがとてもうれしかった。)
おばあさんがぽつぽつと話す姿が、印象的で、胸に残る一コマでした
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私たちお坊さんは、苦しみを、悲しみをなんとかしたいと思うのですが
また、して欲しいと思われたとしても
傷を癒す特別な力を持ってはいないのです。
能力はないのです。
それは、とても歯がゆいです。悲しいです。
ただね、仏法(仏さんの教え)ならば、その悲しみに答えを示してくれるのです。
阿弥陀さんはお答えをお持ちなのです。
どうかお聴聞してください。
どうか仏法に耳を傾けてください。
「なんでわたしだけ・・・?」
という悲しみに出会われているかも知れません。
「どうして自分だけ、・・・」
と苦しんでおられるかも知れません。
仏さんの教えに生きるというのは、常にその苦しみ悲しみと向き合って生きるということなのです。
仏法の中には、2500年以上その苦しみと向き合いつつ、人生の答えを探し続けられた方の生き方がぎっしり詰まっています。
ぼくができるのは、仏さんとみなさんを仲人することくらいです。
あまり良い仲人ともいえませんが。
2004年11月15日月曜日
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こんなとこにコメントするほどではありませんが・・・。
返信削除確かに自分たち僧侶は、何かをしてあげることはできないと思います。
聞いてあげることしか・・・。
そこから始まる伝道ってあると思います。まず、相手のことを知るそれが重要ではないかと。
ryogoさんは立派な僧侶としての伝道活動をされたと思います!!
や、コメントありがとうございます。
返信削除とある方がおっしゃっていたことですが、
「お坊さんはもっと自分がいただいておるご法義に自信を持たなければならない」と。
あくまでも私たちの「売り物」(といっては語弊があるかもしれませんが)は、私たち「僧侶」ではなく「法」なのだと、
もちろん「僧侶」から「法」が伝わるわけなのですが、
ともかく、いいご縁を頂戴しておりますです。