2009年5月12日火曜日

読書 

先週読んだ本と、ランキング

梅棹忠夫『知的生産の技術』 ☆☆☆☆☆
碑文谷創『新・お葬式の作法』☆☆☆☆
円満字二郎『漢和辞典に訊け』☆☆☆
高橋繁行『葬祭の日本史』☆☆

梅棹忠夫『知的生産の技術』は非常に古い本。漢字廃絶論なんか主張していたり、ひらがなタイプライターが最新技術という状況。
 けれども、内容は古いにもかかわらず、そこに書かれている精神とかコンセプトは、今の僕たちが読んでも十分刺激的なものだ。中には、「どうしてそんなことがわかるのか」と思えるほど、現代の状況を予言的に言い当てていることもあり・・・。
いわゆる「ライフハック」の古典的一冊に位置づけられる一冊なんだろうけれど、その精神は時代がたっても一向にくすんでいないようで、それどころか、時代を超えて読み続けられているという点に、その意義が語りつくされているように思う。

碑文谷創『新・お葬式の作法』は、葬儀にかかわる心を丁寧に書かれている一冊という印象。読んでいてほとんど違和感がない。だいたい、宗派的な相違やまるでそれが常識かのように書かれる「迷信」に違和感を覚えることが多いが、この本にはそれがまったくといってよいほどなかった。
 作者の心配りと、葬儀について掘り下げた探求の結果が結実しているからだと思う。
 敬意を覚える。
 なによりいいと思える点は、葬儀の外面的な形ではなく、「遺族の心」によりそって、遺族にとって大切な時間である「葬儀」、故人との向き合いの時間の大切さが語られていること。

一方、高橋繁行『葬祭の日本史』は、葬儀の歴史について興味深い内容が示されているものの、上の書籍とは対照的に、葬儀の迷信的な部分や、個人的な葬儀についての思いが前面に出ていて、「普遍的」な内容ではなかった点が読みづらかった。

円満字二郎『漢和辞典に訊け』は、一般向けに「漢和辞典」の面白さ、漢字の面白さを紹介した本。
漢和辞典の編集に長年携わってきた著者ならではの知識が示されていて結構面白く読めた。

  






0 件のコメント:

コメントを投稿

「宗教」・「カルト」を扱う講義をするので

今日の龍谷大学文学部で担当している「伝道学特殊講義」(学部3・4回生対象)は、講義で指定しているテキスト 『基礎ゼミ宗教学(第2版)』 。今回は、第9章の「カルト問題」にどう向き合うか?―カルト、偽装勧誘、マインド・コントロール」を扱う予定。  数年前に大阪大学が、大学としてのカ...