いい葬儀とは… 直葬的なご相談から…

あかちゃんにあったのと同じ日。

1件のご葬儀をお勤めしていました。

先日、友人のお母さんから「友人のご主人がなくなって相談したい」と連絡があり、そこからお寺にお連れいただいたのが喪主さんである奥さん。

一緒にお越しになった息子さんと奥さんとご相談しました。

当初のご相談は「火葬場でお勤めをしてほしい」というもの。
もう、お葬式もしないで簡素に送りたいと思っていたけれど、「それではやはり…」とおもって、せめて火葬の前にお勤めをというようなことで、ご相談にお越しになったということでした。

お話をしていくうちに、それならと「今ご遺体がある安置所を出られる前にもお勤めに行きますよ。」(いわゆる出棺勤行)とご提案すると、喜んでいただけて、出棺前と、火葬場で短いお勤めをさせていただくということに。

 (余録:ご相談のなかで、「法名」のことや、葬儀に関する事柄のいわれ/本来の意味などをお話しすると、「そういうことだったんですか。なるほど…」等と、とても理解いただけたような印象。なんとなく形でなぞっているだけでは、こういう納得はなかなかできないので、本当は落ち着いて、こうやってお話しする機会が大事なんだろうなぁと気づかせてもらえるような機会でもありました)

その後、ご家族や葬儀社とやり取りをするなかでご家族のご希望は、「霊安室でご葬儀的なお勤めをする」ということがわかってきて、限られた時間の中でご家族、親戚がお集まりになる中で、ご葬儀的なお勤めをすることになりました。

このご葬儀が西正寺としては初めてのご縁。またお勤めの時間的にも普段の葬儀の半分くらい。また葬儀社さんがしつらえてくださったとはいえ霊安室でのお勤めで、決して「美しい」「莊嚴な」雰囲気のあるホールではないというような状況でした。しかしご相談かさねて、どんな思いでご葬儀に臨まれているか、ご家族のお人柄等知られたこともたくさんあったからか、ご家族のみなさんの儀式のお心持ちを感じながら、また出棺前のお勤めの後にご法話もしっかりと心を傾けてきいていただけるような形でできたような感覚がありました。

 斎場でお勤めのあと、大変ありがたい感謝のお言葉をいただき、車で斎場を出発するまで、ご家族のみなさんからお見送りまでいただいてしまいました。汗

チャットGPTで、直葬のイメージを生成してみたもの。
何度か修正やコメントを入れてみるとこんなものが出来上がりました。

いろいろとやり取りがあったからかとおもうのですが、今回はいろいろと考えさせられるご葬儀になりました。(毎回に何かしら考えてはいるのですが)

◎ お送りの形としては、「直葬」⇒出棺と火葬前のお勤め(出棺勤行と火屋勤行)⇒簡略ながら葬儀としてのお勤め と 三転していきました。話しているうちに、お送りしたい形が変わったのですが、これがは、潜在的なニーズ(お送りしたい要望)が、話してみないと具体的に立ち上がってこないということ、それから選ぶご家族の側に「選択肢」がやはり十分に提示されていないという状況なのだろうなぁと思われることでした。

◎ 上に関連して、やはりご家族とコミュニケーションの量が多いご葬儀ほどすれ違いもすくなく、ご家族の感情にさまざまな意味でいい葬儀になる可能性があるなぁということ。
(こういうことは、今回に限らず思っているのですが、典型のケースでもありました)

◎ 祭壇や会場の華美、あるいは葬儀の形式が定められた規範(宗派には「法式規範」という、お勤めや儀礼の教科書的な規範が定められたものはあるのですが)に沿わない形であったとしても、ご家族の心情に触れながら、また「触れている」「知っている」とご家族に感じていただきながらできる葬儀のほうが、「よい葬儀」と感じられる場合が多いのだろうということ。

 住職とその家族が中心でまわっている小さなお寺なので、できることは限られていますが、できる範囲でできることを積み重ねていくしかないのだろうなぁと まあそんなことを考えてお参りしている日々でもあります。




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