2015年8月10日月曜日

中山順司『お父さんがキモい理由を説明するね―父と娘がガチでトークしました 』(Linda BOOKS!、2014年)

中山順司『お父さんがキモい理由を説明するね―父と娘がガチでトークしました 』(Linda BOOKS!、2014年)





2015/08/10(月)
ふらっと入ったJR尼崎の駅ナカの本屋で見かける。
ぱらぱらとめくって、雰囲気と内容から購入を決定。 ほぼジャケ買い。
もともとはwebの連載から展開した書籍。

父と娘の週末トーク

100万プレビュー以上を記録した有名なコンテンツだったそうだけど、本を見るまで知らなかった。



一気に読了。内容は、とても良かった。いろいろと考えた。


 表紙・タイトルはポップだけれど内容は、「父と娘がガチでトークしました」という表紙に書かれている言葉に嘘はない。父と娘のガチトーク。
 恋愛について、「父がキモい」ことについて、「人生」について、死について、いじめについて、ディープなテーマが親子でしっかりと、本当にしっかりと語り合われています。

 読み終えて、あらためてすごいなぁと感じたのが、タイトル『お父さんがキモい理由を説明するね』の妙。

 お父さんがなぜ「キモい」のかがしっかりと語られて、お父さんが撃沈するわけだけれど、一貫して流れているのは、ちゃんと成立している親子の「対話」。
 父は、自分の経験や知識を語ると同時に、娘に対して投げかけを行い、またなにより娘の考えや思いを受け取って驚きを得ている。娘は、自分の思いや感情をちゃんと言葉にして、13歳の世界と考えを提示して、全力で語っている。

 「お父さんがキモイ理由を説明する」というタイトルに象徴されるように、娘の方がその世界を開陳して、父親に衝撃を与えるという構図は、父親にとっての不可解きわまりなく、受け入れがたい感情が、まさに13歳の中学生の娘のあり方そのものであって、それと向き合ったことで、はじめて「対話」(はもちろんのこと、そもそも思春期の娘とのコミュニケーションそのもの)がなりたっているということを、象徴しているのではないかと感じ入った。

・対話すること
・インタラクティブな学びのあり方
・親子のコミュニケーション
・ディープな問いを深く考えていく面白さ

読む人が、「考えられる」本になっていると思いました。
おススメです。

そして、巻末の成人した娘に宛てられたお父さんの手紙は、ちょっと、うるっと来ます。



あと、つれづれに書くと、

・サオリちゃんはいい子だなぁ。
・賢いし冷静だなぁ。
・家族みんな仲がいいなぁ。

こんな風に語り合える関係がある、というのは、非常にうらやましくあります。




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