2023年10月28日土曜日

「宗教社会学の会」に参加してきた件(2023年10月28日)

本日の午後はこちらに参加してきました。

宗教社会学の会(http://blog.livedoor.jp/socioreligious/archives/52018995.html
初めて参加する会。相愛大学の会でご挨拶させていただいた三木英先生から、フェイスブックの私のある投稿にコメントいただき、やりとりをしたところから、お誘いをいただくことになり、初参加。

今回の発表は以下の方々、以下の内容。

研究報告1 13時~14時45分(質疑応答含む)
加藤希理子(佛教大学非常勤講師)「ナチス政権下における神学者の動向――バルト、ボンヘッファーを中心にーー」

研究報告2 15時~16時45分(質疑応答含む)
峯岸優太(大阪大学大学院)「日本において改宗ムスリムであるということ~外国人ムスリムとの関係性に注目して」


正直、いずれのテーマもほぼほぼ全く触れたことのないものだった。しかし、そうでありながら、とても興味深い発表で、いろいろな気づきや学ばせていただけることがあった。それだけ、しっかりとまとめられたレベルの高い発表を聞かせていただける機会だったように思う。本当に勉強になった。


 1つめの加藤先生の発表は、ナチス政権下における福音主義教会(プロテスタント)の神学者たちがどのような立場をとっていたかという研究発表。
 ナチス下において、ナチスの手先として活動したような「ドイツ的キリスト教者」、そこに理論づけをおこなったような「民族性の神学者」のほか、ゴーガルデン(ナチスに同調、のちに批判)、ブルンナー(ナチスの正当化につながりうる思想的根拠を提供したと批判される)、そして今回のテーマであるカール・バルト、D.ボンヘッファーは、ナチスに対して徹底的に批判し、抵抗を貫いたとされる。

 バルトがナチス政権下でどのような対応をとっていたのか。単に神学的立場・議論だけではなく、当時の社会状況と関わらせて知ることでよりその主張や立場の意味が明確に知られるように思われた。

 キリスト教神学、それもナチス政権下においてどのような思想が展開され、神学的議論が行われていたのかというのは、まったく関心を向けたこともなかったテーマだったので、ついていけるかということ自体から心配だったが、とても興味深い問題をご提示いただいた発表だった。

 

 2つ目の峯岸さんの発表は、日本においてムスリムに改宗した、主に日本人を対象としたもの。日本における現状のイスラム信仰を踏まえつつ、さらに日本人改宗ムスリムの方たちにインタビュー取材を行った具体的な事象に基づいた発表。
 移民宗教としてのイスラム教が日本においてどのような展開を遂げているのかという展望を描こうというものと受け止めた。

 修士論文の中間発表的なものということだったが、非常に濃密な研究と調査を踏まえてもので、非常に濃厚な論文として仕上がるのではないかと思われた。

 

 うまくスケジュール的に都合がついて参加させていただくことができたが、初めて参加した私も温かく迎えてくださるような雰囲気と、発表後に長時間にわたる質疑や意見交換が専門性あふれるものであって、身を置いているだけで、大変勉強させていただいた研究会だった。
 最後になりますが、迎えてくださり、ご教示くださった研究会のみなさまに御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。


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