大学の講義でATTF2をやったよという件(その3) ATTFで遊んだ意味とは
大学の講義でATTF2をやったよという件(その2)
ATTFとはなにか、どう遊ぶか からの続き
https://ryogo1977.blogspot.com/2023/11/attf2attf.html
・ゲームを終えて
ATTFのおわりに、
・ベストおせっかいニスト(一番たくさんおせっかいをした人)の表彰
→ といっても、紹介と拍手
・ベストおせっかい(各グループの一番傑作のおせっかい) の決定と共有
をして、今回の感想を話し合った。
・学生さんの感想
講義おわりに、学生さんに書いてもらった感想を一部抜粋すると、以下の様なものがあった。・国語の教職をとっているため、授業でぜひ取り入れたいと考えた。また尼崎だけではなく、さまざまな県や市のもの(カード)を作ればいいのにと感じた。
・話したことのない人と同じ班だったが、盛り上がって楽しかった。またゲームであったが、悩みの内容は自分の町にも共通しているところがあるのだろうなと思った。/ 母親が民生委員をしていて、独居老人を気にかけているから、身近に感じた。
・今回のゲームもとてもおもしろかったです。手札が少ないから珍回答がでたり、パワープレイだったりして、見ていて楽しいです。タイ人のお母さんが学級新聞を読めないという課題が現実にもあるんだろうなと思ったら、心がくるしくなりました。こんな課題を解決するようなサポートがあるのかなど、調べてみるのもよいなと思いました。
・高齢化の問題、若者の地方離れなど、尼崎以外の地域が抱えている問題を再確認しました。
・高齢者の扱いがなまなましく表れていると思いました。
・カードの手札の中だけで解決しないといけないところ、現実社会でも当てはまると感じました。お金があれば解決できるだろうが、創意工夫してなんとか解決に向かうところが問題解決のキモだと感じました。
・ゲームめっちゃたのしかったです!発想力と想像力が豊か似なるなーと思いました。/新鮮で楽しかったです。またやりたいと思いました。
・グループでやったことのないようなゲームで他の知ったです。現実的に考える人もいれば、大喜利する人もいて、多種多様な人がいて、新鮮だった。
・最後に、ATTFで遊んで得られるものとは?
講義でATTFをして、学生さんたちに投げかけるようなことは、次のようなことだ。
(1)課題はどこにあるのだろうか?
「聞いてカード」で、まちのひとの声に触れてもらった。何気ない会話の中で触れることもあるかもしれない内容だったりする。あるいは、何気なく、普通に見えるように暮らしていて、裏側にそんな悩みや、言えなさを抱えているかもしれないという想像力を持つことで、見えなかったものが見え、気づけるようになるのではないだろうか。
(2)どうやって解決するか?
ATTFの面白さは、新しい何かをお金や労力をかけて作るのではなく、すでにある、「ありもの」で解決することにもあるのだろうと思っている。 当たり前にあるもの、あるいは目の前にあるものを、別の角度や切り口で光を当ててみたり、従来とは違う場所に置いたり、異なる役割を与えてみたり、あるいは、単純に誰か特定の人に声をかけて、お願いをするだけで、物事が解決に向かうことがあるのではないか。 「創造」ではなく「編集」という手法で解決することを考えるチャンネルが切り開かれるように思う。
それは、ほかならぬ自分の置き場所、用い方を見直すことにもなるだろうし、この講義に当てはめてみれば、「仏教」「お寺」「僧侶」が、社会にどう切り結ぶか、どのように立ち振る舞うかという見直し(編集しなおし)を行うことで、開かれてくる可能性も見いだされるように思うのである。(これが、この講義で行う意味だと自分的には納得している)
(3)課題か、お宝か?
ATTFをやってみると、思い当たるのだが、実はおたからカードと、リソースカードで内容が重なるものがある。たとえば、空き家は、おたからカード(地域資源)でもあり、「空き家問題」という課題でもある。あるいは、高齢者(独居や、健康問題等9や、町内会長(引き受けてがいない)も、課題を抱えているが、場合によっては(そして実際に)お宝カードでもあるように地域のリソースにもなりうる。
ゲームなので、これは「おたからカード」(リソース)、これは「聞いてカード」(課題)と、明確に区分されるが、現実社会はそうではない。 課題に見えていたものが、置き場所を変えれば、役割を変えれば、リソースにもなりうるということでもある。
たんに切り口、見方を変えるといえば、簡単なようだけれども、それが達成されるだけで、かなりいろいろな可能性が広がってくることでもあるように思うのだ。
とまあ、このようにまとめて、講義は終わったわけであるけれど、社会とつながりを考えるうえで、楽しく遊べて深く考えられるATTFは本当にすごいなぁと、活用するたびに思うわけである。
(一応おわり)
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