NPO法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク
「 イスラエルとハマスの一連の武力衝突に関して」
https://ngo-ayus.jp/column/middle_east/2023/10/23palestine/?fbclid=IwAR0iAC0PS93zdn-vqv0IrTTMYJvsAp-8VH-9F_r3XhYkdGQBDNQS-fXoqBs
私も理事として名を連ねさせていただいているNPO法人 アーユス仏教国際協力ネットワークが、イスラエルとハマスの武力衝突に関して、声明を出しました。
声明の作成については、事務局と理事の間でもいろいろな議論がありました。また専門委員の先生からも種々訂正や見直しの指摘があったと伺っています。もしかすると、立場によって見えるものが異なることがあるかもしれません。あるいは、私もアーユスからも見えていない光景があるのかもしれません。
しかしながら、一貫して議論で、見つめられ続けていたことは、国・勢力が争う中で、苦しめられている市民がいるということ、そしてそこへの支援は何があってもとどめられてはならない、苦難を止める努力は続けられなければならないということだったのではなかったかと振り返っています。
恥ずかしながら、この声明に関する議論が立ちあがるまで、パレスチナ問題については、耳にしてはあいまいになり、ちゃんと学ぶこともありませんでした。あらためて、情報にふれ、学び知るべきであったこと、知らなかったことがたくさんあったことに気が付きました。
今回の件で、このことについても、もっとちゃんと目と耳を開いていかなければいけないと思いなおしています。
以下、アーユスの声明を全文転載します。
「イスラエルとハマスの一連の武力衝突に関して」
アーユスは1993年の設立以来、仏教系NGOとして平和が守られ人権が尊重される社会をめざして活動してきました。とりわけパレスチナ問題に対して深い関心を持ち、そこで活動するNGOに協力してきました。故郷から離散を強いられて難民となったり、占領下という不条理な状況におかれたりしても、民族自決を実現しようと立ち上がるパレスチナ人の姿に感銘を受け、また命を重んじる仏教者の団体として、宗教が深く関わっているこの問題を看過できませんでした。これまで、ヨルダン川西岸地区やガザ地区、レバノンに暮らすパレスチナ難民に向けた人道支援や生活改善への取り組みに資金協力を行い、紛争時に停戦を求める活動をパートナー団体などと連携して行ってきました。
2023年10月7日から続くイスラエルとハマスとの一連の武力衝突によって、双方の民間人に多数の犠牲者が生み出されています。この状況に対し強い憤りを覚えるとともに、すべての被害者に心からの哀悼の意を表し、一刻でも早い停戦が訪れることを願います。同時に既に米国で6歳のパレスチナ人の少年が殺害された事件のように、憎しみの連鎖が生まれ、これ以上の悲劇が繰り返されないことを心から願うばかりです。
2023年10月7日、パレスチナ抵抗組織ハマスはイスラエルへの攻撃を再開しました。それ以降、ガザ地区は完全封鎖され、人々は逃げる場所もない中でイスラエル軍の空爆と砲撃にさらされています。人道支援物資や水や電気が止められて基本的な生活が危機的な状況に陥っていることに加え、病院は最低限の治療行為すらできなくなる瀬戸際に立たされています。このような状況下でもっとも多くの犠牲や困難に直面するのは、女性や子ども、高齢者や障がい者です。ガザの被害状況は日々悪化の一途を辿っており、現地から日本のNGOに寄せられる声や動画は、壊滅的に破壊された町並みの映像と共に、まるで「最後のメッセージ」かのようなものが多く、言葉を失います。また非人道的な状況は、ガザ地区のみならずヨルダン川西岸地区でも起きています。この間のユダヤ人入植者による暴力やイスラエル軍による攻撃はこれまで以上に激しくなり、犠牲者も多数でています。
今回の武力衝突が起きた背景は、パレスチナ人が置かれてきた状況やこれまでの経緯を踏まえなければ理解できないでしょう。パレスチナ人が難民になってから75年もの年月が過ぎていますが、この間、パレスチナ人が置かれた状況は悪化し続けてきました。ガザ地区、西岸地区ともにイスラエルによって56年間も占領下におかれています。ガザ地区にいたっては17年間にもわたり封鎖されているために、人々は地区外へ自由に移動することすらできずにいました。このような非人道的な状況が放置されてきたことについて、日本や欧米諸国などを含む国際社会には大きな責任があり、私たちはこれらの現実を忘れてはなりません。
だからこそわたしたちは、常に脆弱な立場におかれているパレスチナ人の側に立つことを心に、まずは停戦への働きかけをするとともに、人々が生きるための支援活動に協力していきます。
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